認知症の発症リスクが半減!?認知症予防ができる食べ物「マインド食」とは?

高齢化が進む日本で毎年その患者の数が増え続けている認知症。

世界的にも深刻な問題で、一番多いアルツハイマー型認知症に関しては様々な分野で研究が進められています。

現在は対処療法といって、認知症と診断された方には薬によってその症状を軽減させる方法が手法ですが、そもそもの発症を遅らせる「予防」の観点が注目を集めています。

認知症の予防に効果的なのは一番にはまず運動ですが、最近食事によって予防しようという動きも見られるようになりました。

中でもアメリカの研究によって発表された「マインド食」は認知症予防に効果があると言われています。

今回は食事から認知症の予防につなげるマインド食についてご紹介しようと思います。

 

1.マインド食とは?

2015年、アメリカの研究グループによって「マインド食」なるものが発表されました。

発表によると、このマインド食がアルツハイマー型認知症の予防につながるというのです。

マインド食とは、地中海式の食事法と「ダッシュ食」と組み合わせたものだそうですが、これだけ言われてもピンときませんよね。

それぞれについて見ていきましょう。

 

地中海式食事法

地中海式ダイエットという言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。

平均寿命が最も長いといわれる地中海での食生活を体型的にまとめたもので、主に野菜、豆、果物をメインにオリーブオイルや魚介類を積極的に取り入れます。

第二次世界大戦後の1960年代、WHOなどが主体となった健康食の研究の結果、栄養学的にみて一番優れている食事がこの地中海式食事法だと発表されました。

健康的な食事を推進するために、下の図のような地中海式食事法のピラミッドが作られて食事の際の指針として使われています。

地中海式食事法のポイントをまとめると以下のようになります。

①野菜と果物を多くとる

②パスタやパンなどは特に全粒粉を使ったものを多くとる

③ナッツ類、ベリー類、豆類、イモ類を多くとる

④油はオリーブオイルを使用

⑤魚介、鶏肉、乳製品が主なタンパク源

⑥ヨーグルトなど発酵させた乳製品を多くとる

⑦少しのワインを食事と一緒に飲む

 

ダッシュ食

ダッシュ食では脂肪やコレステロールを控える食事、そしてミネラルを多く取ることで余計な塩分を排出する食べ物を摂取します。

高血圧の食事療法として注目されていて、その名前もDietary Approaches to Stop Hypertensionと言って「高血圧を防ぐ食事方法)」の略語から成っているんですね。

高血圧が大きな問題であるアメリカでの研究で発表されましたが、日本でも最近では高カロリー・高脂肪に食生活が変化していますし、それ以上に気になるのが私たちの高い塩分摂取量です。

日本食はヘルシーだと思われがちですが、実は日本人の平均塩分摂取量は男性が約11g、女性では約10gとなんと世界一塩分を摂取している民族の一つなんです。

塩分摂取量が増えると日本人の体質として高血圧になりやすいという傾向があり、塩分カットは血圧を下げるために非常に重要なんですね。

ダッシュ食で積極的に摂ろうとしている栄養素は

  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • 食物繊維
  • たんぱく質

で、減らそうとしている成分は

  • 飽和脂肪酸
  • コレステロール

です。

ポイントとしては以下のことに気をつけた食事です。

①野菜や果物を多くとる

②低脂肪の乳製品を多くとる

③魚、大豆製品、海藻を多くとる

④肉などのコレステロールが多い食品を減らす

マインド食とはこの2つの食事法を合わせた良いとこ取りの食事法と言え、特に脳の健康を保つことに焦点を当てています。

 

2.マインド食と認知症

マインド食が良さそうだということは分かりましたが、実際に認知症予防に効果的だとわかった研究とはどのようなものだったのでしょうか。

マインド食として良いとされている以下のような食材10項目と控えるべき5項目がまず用意されました。

《摂りたい食材》

  1. 緑黄色野菜
  2. その他の野菜
  3. ナッツ類
  4. ベリー類
  5. 豆類
  6. 全粒穀物
  7. 鶏肉
  8. オリーブオイル
  9. ワイン

《控えたい食材》

  1. 赤身の肉
  2. バター
  3. チーズ
  4. お菓子
  5. ファストフード

そしてアメリカに住む58歳〜98歳の男女1000人を対象に、この15項目の食材に注意して生活を送ってもらったのです。

約5年間追跡調査を行い、そのデータを分析しました。

結果、15項目中9項目以上の食材をとることができた被験者は、15項目中5項目以下しか達成できなかった被験者に対してアルツハイマー型認知症の発症リスクが53%、つまり半減したのです。

15項目中半分程度実行できた人に関しても、30%ほどの減少率が見られました。

食事だけでここまでの結果が出たのは素晴らしいことで、マインド食への関心が一気に高まりました。

 

3.日本人向けのマインド食

認知症予防に期待のできるマインド食ですが、この研究がアメリカで行われたこともあり、日本人の体質や食文化に合わせて内容を改める必要が出てきました。

そこで国立循環器病研究センター脳神経内科部長の猪原医師が以下のような日本版マインド食を発表しました。

摂りたい食材

  • 緑黄色野菜(カロテノイド)・・・週6日以上系
  • ナッツ類(α-リノレン酸)・・・週5回以上
  • ベリー類(アンドシアニジン)・・・週2回以上
  • 豆類(大豆イソフラボン)・・・週3回以上
  • 全粒穀物(ビタミン、ミネラル)・・・1日3回以上
  • 魚(DHA/EPA)・・・なるべく多く
  • 鶏肉(イミダゾールジペプチド)・・・週2回以上
  • オリーブオイル(オレイン酸、ポリフェノール)・・・優先して使用
  • ワイン(ポリフェノール)・・・1日グラス1杯程度

避けたい食材

  • 赤身の肉・・・週4回以下
  • バター・・・なるべく少なく
  • チーズ・・・週1回以下
  • お菓子・・・週5回以下
  • ファストフード・・・週1回以下
  • 塩・・・1日6グラム未満

毎日の食事でできるところからこうした食材に気をつけていけるといいですね。

間食をしてしまう人は間食の中身をベリー類やナッツ類で代用するという方法でストレスをかけないやり方を考えた方が良いでしょう。

 

4.塩分には要注意

先ほど日本人の塩分摂取量が問題だと書きました。

これには和食に実は大量の食塩が使われていることが原因です。

味噌汁や漬物が入るだけで食塩の量は3グラムほどに匹敵することがあります。1日6グラム以下が奨励されているのにこれではすぐに塩分過剰になってしまいますよね。

塩分を取りすぎると高血圧を引き起こしやすいため、脳の血管をつまらせたりする要因となり大変危険です。

認知症の第二のグループ血管性認知症が引き起こされる最大のリスクには脳卒中がありますが、これは高血圧などを介して起こります。

塩分の摂取を気をつけるだけで血管性認知症のリスクは減らせるのです。

それでも最大グループのアルツハイマー型認知症には関係がないと思ったら大間違いです。

血管性認知症や脳卒中はアルツハイマー型認知症の発症にも起因していると考えられています。

塩辛いものが好きな人は特に気をつけて食生活を見直しましょう。

 

5.まとめ

認知症予防の観点でも研究が進んでいますが、食からその予防に取り組むことも注目されています。

アメリカの研究でその効果が確認されたマインド食は地中海食事法と高血圧に良いとされるダッシュ食を合わせたものです。

日本人の体質に合わせたマインド食では魚や鶏肉を中心に豆やナッツを積極的にとることが推奨されています。

これに加えて特に日本人が気をつけたいのが塩分の過剰摂取です。和食に潜んだ食塩は1日でかなりの量になってしまうことが多いので、是非意識して気をつけていきましょう。

適度な運動や規則正しい生活とともに、食生活を見直すことで認知症のリスクは減らすことができます。

可能なところから少しずつ取り入れていきたいものですね。