介助・介護初心者は必見、現役介護士が紹介する介助方法の基本とコツ教えます!

親御さんが高齢になり、介護とは言わないまでも少しの動作を介助することが増えた方、結構いらっしゃると思います。

または不慮の事故や突然の病気で介助が必要になったという方もいらっしゃるでしょう。

相手を助けるための介助ですが、慣れていないまま力任せに行おうとすると介助する側が腰を痛めてしまったり、介助される側も恐怖感を抱いて戸惑ってしまいます。

正しい介助方法を身につけることは、大事な家族などの非介助者だけでなく自分の健康も守っていくために非常に重要なことです。

そこで今回は介助初心者の方向けに、介助方法の基本やそのコツについてご説明したいと思います。

介助が必要になったけどどのようにしていいかわからない方、正しい介助法の基本が知りたい方、是非参考にしてください^^

 

1.介助方法の基本

介助される側のできることを把握する

冒頭でも言いましたが、介助中に腰痛になってしまったという話は本当によく聞かれます。これには、介助の度合いが強いためにその人に必要以上の負荷がかかっている場合もありますが、相手の能力を考えずにとにかく力まかせに動かそうとしたために生じるケースも多くあります。

麻痺があったり認知症などの方を介助する時にまず大事なのが「相手は何もできない」といった固定観念を取り払うことです。

足の筋力が弱っていて歩行が困難な場合でも、足を引いたり持ち上げたりする筋力が残っている場合があります。

また、たとえ時間はかかっても靴をはいたりすることも靴ベラなどを上手く使うことで出来る方はたくさんいます。

どのような介助法が自分にとっても相手にとっても一番良い形なのかを知るには、相手の「出来る」能力の幅を見極めることが必要です。

その動作が完璧でないために、「完璧じゃない=できない」と思い込まずに、その人が出来ることとは何かを注意深く観察して理解してください。

そして、出来ることや出来る範囲がわかった上で、その人の力を無理なく引き出せるようにしていくのがまずは介助方法の基本です。

 

待つというゆとりを持つ

普段私たちが何気なく行う動作(立ち上がったり歩いたり)ですが、無意識に頭で動きのプログラムを組み立てることで可能になっています。

何をどのタイミングでどのような角度で動かすと立ち上がれるかという道筋があり、それに沿って脳から指令を受けた筋肉や関節が動いていくのです。

介助方法として大事なのは、この動作に制限がある高齢者の方には一息呼吸をおいて待つゆとりが必要だということを認識することです。

「さあ立ちましょうね。」と声をかけてから実際に立ち上がろうとするまでに高齢者などでは体の中で1〜2秒の構えの時間を要します。

こうした少しの間を与えられないと、介助される側は動作への心と体の準備ができずに戸惑い、介助者も無理やり引っ張ったりするようなことが起きてしまうのです。

声をかけた後は一呼吸おいて、まずはその動作をするということが伝わっているか確認してください。相手がうなずいたりするなどの表情からこうしたコミュニケーションを取ることができます。

 

適度な距離感を持つ

同じように大切なのが介助される相手との距離です。どれくらいの距離を取るかということにも注意が必要です。

あまりに近いと視線が合いにくくなるので意思の疎通ができません。相手が混乱していたり、痛がっているなどのサインが拾いにくくなるのです。

また、近すぎる距離は相手に恐怖感を与えてしまうとも言われています。どのような動作が待っているのかわからず、相手を不安にさせてしまうのです。

介助が必要になったとは言え、一人の人間です。相手とその人の持つプライドを尊重することも大事なのです。

適度な距離感とは具体的には、

前ならえをするように介助される相手の前に手を差し伸べた時の自分のひじがお腹からこぶし2つ分ほど前に出ている距離

です。この指針は実用的ですので是非覚えておいてください。

 

2.介助のコツ

声かけ

介助する際は必ず声かけを行ってください。これには

①急に手助けに入って相手を驚かせないため

②これからする動作の準備をしてもらうため

 

という2つの目的があります。

特に②は介護事故などを防いだり、介助される方の自発的な動きを引き出すのでとても重要です。

先ほど、何気なくしている日頃の動作には、正しい筋肉や関節をイメージ通りに動かすために脳からプログラムが作られると説明しました。

脳からの指令に時間がかかったり上手く動作のイメージができない高齢者などには、「これからどんな動きをするのか」という無意識のプロセスを言葉に出してあげることで、介助される人は意識的にイメージすることができます。

声をかけられた相手はその動作の準備をして、体に適度な緊張感を持たせることになります。介助する側もされる側もこのような呼吸を合わせるための声かけはとても大事なのです。

この声かけは、たとえ相手の耳が遠くても認知症で言葉の理解が限られている場合でも決して怠ってはいけません。突然行われることにはどんな人でも恐怖心を持ちますし、相手に伝えようという意思があれば向こうにも伝わるものです。

また、声をかけた後は相手が自分の発した言葉に意識を向けたかどうか必ず確認してください。相手が自分の存在を捉えているか否かで本人の動作と介助のしやすさに大きな差が出てきます。

 

触れ方

介助する際には相手の体に自然と触れることも必要になってきます。家族の場合は気が知れていると言っても、やはり触られることというのは緊張を伴う特殊な行為です。

だからこそ上で説明した声かけが非常に重要ですし、痛くならないような丁寧な触り方が大事になってくるのです。

具体的には以下のことを特に気をつけてください。

  • 腕や脚を持つ時な指の腹を使って、決して握ったりしない
  • 指は立てずに指の腹を使って触れる
  • 体幹や腰などの体の大きな面に触れる時は指の腹を含む手のひら全体を相手に沿わせる
  • 相手の体に接する面は一箇所だけに圧がかからないようにする

 

支え方

椅子などからの起き上がりの時に相手をしっかり支える際の介助では、手すりや机になったつもりで行うことが基本中の基本です。

自分がもし介助が必要な立場だったことを考えてみてください。手すりを頼りに階段を上ったり、立ち上がろうとした時にそれが動いたら・・・こんな怖いことはありませんよね。

座っている人を介助しようとする時に介助初心者がよくやってしまう間違いとして、支える手の重心が下の方にいってしまうことです。

実際は真逆をしなくてはなりません。相手の体重がかかる下方に逆らうように上向きに力を入れてグッと踏ん張れないと手すり代わりになりませんよね。

相手を支える時は自分が手すりになった気持ちでやることが介助方法のコツです。

 

3.まとめ

家族の一員がある程度の介助が必要になるというのは加齢とともに予測できる場合や、事故などの影響で突然やってくる場合など、様々です。

自分の両親は大丈夫、自分の家族は大丈夫、などと思っていてもいつどんな形で介助が必要になるかはわかりません。

いざ必要となった時に、介護士でもない限りそのやり方に戸惑ってしまうというは介助初心者であれば誰もが感じることです。

でも今日ご紹介したような介助方法の基本やコツを覚えておくと、介助に対する精神的な安定や、肉体的負担をぐんと減らすことができます。

どんな人へでも必要であれば手を差し伸べられるように、是非介助方法の基本とコツは覚えてくださいね。