在宅介護とは?在宅介護の現状・課題を知って未来に備える3つの心得

自分の親はもちろんのこと、将来必要になってくるであろう自分自身の介護も含めて不安はありませんか?

もはや人生100年と言われる時代に突入して、年金を含めた社会保障が頼りにできないと貯金を始める若い世代もたくさんいると言われています。

今、介護の現場では負担の増加とサービスの削減が進んでおり、「老老介護」などの問題も出てきました。そして、介護があるがために資産を失う「介護破産」も話題になっています。

そこで今回は誰もが避けられないであろう介護の問題について、特に在宅での介護で破産しないために今から心得るべき3つの備えをご紹介します。

1.在宅介護とは?

在宅介護とは、要支援または要介護者と認定された人が自宅で生活しながら、介護サポートを受ける介護形態のことを言います。

いわゆる老人ホームや介護施設への入居ということはせずに、自宅での生活を選んだ方の介護です。これにより主な介護の担い手は要支援者・要介護者の家族になります。

老人ホームなどとは違い、一括したサービスを使っていくことではないので、以下のようないくつかのサービスを組み合わせて生活していくことになります。

訪問介護サービス(自宅訪問)

自宅を訪問したホームヘルパーさんから食事、入浴、排泄、衣服の着脱などの日常生活の介助や、料理・洗濯などの生活援助を受けるサービスです。

通所介護サービス(デイサービス)

デイサービスを行っている事業所に通い、入浴や食事などの日常生活の介護を受けるサービスです。これと似たサービスにデイケアがありますが、こちらは老人保健施設や病院に通いながら理学療法や作業療法などのリハビリテーションを受けるものです。

短期入所介護サービス(ショートステイ)

一般にはショートステイと呼ばれます。旅行などによって家族が一時的に介護ができないような時に、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設に短期間(数日~1週間)入所して、入浴や食事などの介護を受けるサービスです。

小規模多機能型居宅介護

デイサービス、訪問介護、ショートステイの3つのサービス形態が一体となったサービスで、原則として施設のある市区町村に住民票のある方が利用の対象となります。

 

2.介護の負担額の現状

介護サービスにかかる自己負担額というのを皆さんはどれくらいご存知でしょうか?

介護サービスの自己負担は2000年に始まった当初はすべての方において1割負担でした。ところが2015年には最初の見直しがあり、本人の合計所得金額に応じて負担増が新たに決められました。

これによって以下の項目に当てはまる一部の方に限った増額ではありますが、1割から2割の負担へと変わりました。

  • 所得金額が160万円以上(単身で年金収入のみの場合は280万円以上)
  • 同一世帯の65歳以上の方の年金収入とそのほかの合計所得金額が単身280万円以上
  • 2人以上世帯で346万円以上

2015年と割と最近の法改正にもかかわらず、2018年の8月からはまた新たな負担額が適応される見込みとなっています。

具体的には引き上げの対象となるのは、単身で年金収入のみの場合年収344万円以上という方々です。しかしこれにより約12万人もの人が影響を受けると言われています。

 

3.介護破産の危険

お年寄りの数が増え続け、逆にそれを支える若者も数が減り続ければ、今後この負担額はますます増加の一途をたどると考えられます。

介護保険制度は3年ごとに見直されますし、団塊世代の全員が75歳以上となる2025年には介護サービスそもそものカットも見越されているのです。

実際、財務省を中心として軽度の介護者向けサービスを大幅に見直すような提案がすでになされています。

その中には車椅子貸し出しサービスや生活援助サービス(買い物・掃除など)を全額自己負担にすることなども議論に上がっているほどです。

このような負担が増えれば、家計の負担は一気に増加し、利用者本人やそれを支える家族が追い込まれて介護のために資産が消えていく「介護破産」が現実化していく危険がどんどん高まります。

そしてその危険性はお金に多少余裕があると思っている層でも他人事ではありません。

介護のために離職を余儀なくされることで老後のプランが崩れたり、空き待ちの特別養護老人ホームに入れないために有料老人ホームに入ったがために月々の支払いが苦しくなることケースもあります。

誰もが介護破産になりうる時代だからこそ、できる範囲で今から備える姿勢が必要なんです。

 

4.備えのための心得

心得①貯金

そんなの当たり前じゃないか、と思ったあなた。では具体的にどのくらいの貯金が必要なのかは心得ていますか?

淑徳大学の結城教授によると、高齢者一人の介護に必要な平均金額は546万1000円だと言います。

公益法人生命保険文化センターの調査によれば、月にかかる介護費用の平均は約8万円。介護の平均期間は約5年と言われていますので、これですでに480万円。ここにさらに介護用ベッドなどの初期費用に80万円ほど見込まれるということでトータル約560万円という数字になります。

これに対応できる資金として、一人1000万〜2000万円程度が必要だろうと言われています。ただしこれは厚生年金の平均支給額の月14〜15万円の受け取りを前提とした試算です。

また、専業主婦(主夫)を持つ世帯では2人の年金受給額を合わせても月20万円程度となり、安心できるとは言えません。共働きの場合でも女性の場合は受給額が男性よりも低いので注意が必要です。

以上のような様々な要因を考慮し、夫婦で2500万円前後の貯金・貯蓄があると介護生活を乗り越えられるだろうと考えられています。

 

心得②情報収集は常日頃から

介護破産に陥ってしまうケースでは情報収集を早めに行っていれば防げたようなケースもよく報告されていると言います。

住む自治体が提供する様々な介護制度やサービスなどの情報に敏感になっていれば破産しなくて済んだケースもいくつもあります。

もしみなさんの周りで介護サービスを利用している人がいたら、その内容や月々の費用などの情報を聞いておくことが大切です。

実際の利用者からの口コミは良いところとそうでないところなどが細かくわかるので大変役に立つ重要な情報源です。

他にも、自治体が開催する介護予防教室などへ参加するなど積極的にネットワークを作っておくことでいざという時にすぐに相談することができます。

こうしたつながりを大事にし、受けられるサービスや頼れる人脈などを情報と一緒に増やしていくことが大切です。

 

心得③支えてもらいやすい人を目指す

日頃から「あの人は感じが悪い」などと思われている人は歳を重ねるとどんどん人を遠ざけてしまいます。

介護の現場でも支えてもらいやすい人とそうでない人というのがいます。何かをしてもらっていて当然だという態度の人には、人手不足で余裕のない介護士たちからすると最低限の仕事しかしたくないのです。

逆に挨拶や感謝の言葉を忘れないと、他の支援の情報やアドバイスなどをもらえたりなど、サポートの質にも影響してきます。

それが直接的ではなくても介護破産を防ぐきっかけにつながったり、打開案が見つかったりする可能性を持っているのです。

介護をする方もされる方も所詮は同じ人間です。辛い介護が少しでも楽になるように、支える家族などの様々な負担もチームでケアしていけるように、支えられ上手な人格を大事にしてください。

 

5.まとめ

歳をとる以上、介護の問題は自分のこととして捉えなくてはなりません。今はまだ元気だと思っていても、ある日突然病気に倒れたり、家族の誰かが介護が必要なる可能性は誰にでもあります。

今でこそ年金を中心とした老後の生活が成り立っていますが、少子高齢化が加速する一方の日本ではこうした社会保障は数十年〜数年の間で見直され続けていくでしょう。

備えあれば憂いなし。明日は我が身と考え、今からできる介護への準備をしていってください。